Greeting企業長挨拶

新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、つつがなく2026年の新春をお迎えのことと、こころよりお喜び申し上げます。
地域の医療を支えているのは、言うまでもなく、診療所、つまり開業医の先生方です。改めて、住民ために医療を支えていただいている先生方に、感謝と敬意を申し上げます。
厚労省が発表した資料があります。九州の開業医数(診療所医師数)が、2022年の13,093人から、2040年には6,642人に減少し、約3分の2の二次医療圏で、開業医が現在の半分以下に減少するというのです。八女筑後医療圏もこの『開業医が半数以下なる医療圏』のひとつです。
人口が減少するから、開業医が減るのは当然かもしれません。ただ、八女市の人口は2025年から2040年にかけて約30%減少するとされていますが、開業医数は50%以上減少すると推計されています。開業医の減少が人口減少のスピード上回る理由は、人口減少地域での開業医の高齢化が原因です。当医療圏の現在の開業医91人のうち、59人が65歳以上です。
2024年現在、開業医91人に対して公立二病院(公立八女と筑後市立)の勤務医は77人ですが、2040年には開業医は45人以下となり、開業医は公立病院の医師数の半数程度に減ることになります。かかりつけ医を基本とした地域医療提供体制の維持は厳しくなるでしょう。
人口が減少する医療圏では、2040年に医師がいるのは、大学病院からの準公的医師派遣を受けている公立病院ということになりかねません。公立病院がなくなれば、『医師が来ない地域』になるリスクが高まります。おそらく、これから5年間が公立病院としての『頑張りどころ』と認識し、この問題に対する役割を考えています。
『医療の街』久留米医療圏に隣接することは、八女筑後医療圏のメリットではありますが、それを含めて『地元に残す機能』を選択し、実践していくことが住民のみなさんの安心に繋がると考えています。地域医療提供体制の存続を、いまから考えておかねばなりません。
公立病院として提供できる『小さな支援』から着手する必要があります。例えば、高齢者の病院へのアクセスの問題は、地域にとって猶予のない課題であり、多くの医師を抱えている公立病院がハブとなり、過疎地域への医師派遣機能を少しでも受け持つことは、地域の医療を守る『最後の砦』としての公立病院としての重要な役割となると考えています。『協力は競争より意味がある』という言葉があります。困難に直面したとき、私が大切にしている言葉です。地域医療においても『競争から協力へ』が重要なテーマになると思います。
最後に、卓越した手術手技で日本を代表する脳外科医が、令和8年4月より脳卒中センター長として当院に勤務していただくことになったことを、皆様にご報告申し上げます。患者さんや職員からも信頼される心優しい医師です。ご専門である脳卒中は、突然我々を襲う、そして頻度の高い病気です。よりレベルの高い予防を含めた治療を提供することによって、住民の皆さまの大きな安心となることが期待されます。本年が皆様にとって良い年になりますことを祈念申し上げます。
田中 法瑞(たなかのりみつ)/福岡県柳川市出身 昭和33年生まれ 慶應義塾大学経済学部、佐賀医科大学卒 久留米大学放射線医学講座入局後、ジュネーブ大学脳神経放射線科に臨床留学 久留米大学医学部教授(令和6年3月まで)専門分野:カテーテル治療、画像診断 令和6年4月より 公立八女総合病院企業団企業長 / 公立八女総合病院院長 久留米大学医学部客員教授 / 九州大学医学部臨床教授
