令和2年度 公立八女総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 33 31 63 101 136 267 539 958 995 279
定義
令和元年度退院患者さんの人数を 10歳刻みの年齢階級別に集計しています。年齢は入院時の年齢です。

特徴
当院の入院患者さんは、医療圏の高齢化率が高いことから、60歳以上の割合が高く、全体の80%以上を占めています。
年齢別の傷病構成は、10歳以下では肺炎や喘息といった呼吸器系疾患が多くみられます。10、20代の入院は少なく、虫垂炎、気胸などが多くみられます。30、40代では、子宮や卵巣腫瘍などの婦人系疾患が多くみられます。50代では、腎臓病や腎不全といった腎機能系疾患や狭心症、肺の悪性腫瘍などが多くが見られます。60、70代からは白内障が最も多く、次いで狭心症が多くみられます。さらにがん疾患が増え始め、中でも肺がんが多くみられます。さらに腎臓病や腎不全といった腎機能系疾患が加わります。次いで80、90代になると、加えて心不全や肺炎、脳梗塞といった疾患が多くなります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
心臓・血管内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 108 28.11 17.23 11.11 84.85
050050xx9913xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-1あり 手術・処置等2-3あり 90 5.09 5.97 0 72.34
050050xx0203xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1-なし、1,2あり 手術・処置等2-3あり 46 11.26 9.75 4.35 72.5
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-1あり 手術・処置等2なし 35 5.11 3.07 0 68.49
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1-なし、1,3あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 26 14.12 10.56 7.69 78.65
心臓・血管内科で最も多い症例は、心不全の治療です。心不全の平均年齢は約85歳となっており、高齢者が多いことが分かります。次に多い症例は、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)の治療と検査入院です。虚血性心疾患とは、心臓を取り巻く血管が狭窄し、心筋に十分な血液が送れなくなる疾患です。血管内にカテーテルという細い管を挿入し、狭窄の程度を検査したり、血管の内側から治療を行っています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 57 19.88 11.04 7.02 70.74
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-1あり 21 18.76 14.01 0 71.67
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 20 25.4 17.23 30 76.2
110280xx9902xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-2あり 18 7.06 8.90 5.56 61.89
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 副傷病なし 16 18.44 8.15 0 67.44
腎臓内科では、慢性腎炎から末期腎不全まで腎臓内科分野のすべての診療を網羅し、腎代替療法に関しては血液透析、腹膜透析療法の治療も可能です。最も多い症例は、慢性腎臓病であり、保存期の治療や教育入院による指導、透析導入を行っています。また、透析患者の合併症管理について、シャントの閉塞や狭窄などにおいては、血管外科医と連携を行い、迅速にPTA(経皮的血管拡張術)を行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 18 13.39 9.08 5.56 76.17
040200xx97x00x 気胸 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 17 8.47 16.50 5.88 34.18
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 17 7 5.44 0 33.82
060340xx99x0xx 胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術なし 手術・処置等2なし 15 9 9.76 86.67 84.87
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 10.4 10.83 0 62.8
外科で最も多い疾患は、腸閉塞(イレウス)の治療です。腸閉塞とは、腸の内容物の通過が完全にふさがれているか、深刻な通過障害をきたしている状態のことをいいます。症状としては、腹痛、吐き気・嘔吐、腹部膨隆、排便・排ガス停止などが挙げられます。また、手術を行わず保存的治療することが一般的な疾患です。
次いで17件で、気胸及び虫垂炎の治療が多く、平均年齢も共に30代となっている。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 27 33.04 25.09 74.07 83.63
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 18 38.39 18.81 33.33 81.11
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし - - 5.18 - -
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 - - 15.03 - -
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2なし - - 19.06 - -
整形外科で最も多い症例は、股関節・大腿近位の患者さんです。平均年齢が83歳と高いため在院日数が比較的長く、またリハビリが必要になることが多いため転院率が高くなっています。また、当院整形外科の地域での重要な役割は、合併症(腎不全、心不全、肝硬変、がんなど)を伴う方の治療と考えています。そのため平均在院日数が長くなっていると考えられます。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 16 7 6.16 0 45.56
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 15 12.87 9.57 0 48.27
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 - - 6.10 - -
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし - - 3.11 - -
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 手術あり - - 8.43 - -
産婦人科では、婦人科良性腫瘍(子宮筋腫や卵巣腫瘍など)の良性疾患に対する腹腔鏡(低侵襲手術)と、婦人科悪性腫瘍に対する手術・化学療法に力をいれています。
また、子宮脱などに対する膣式手術(おなかを切らない手術)も対応しております。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 20 8.75 6.71 0 45.65
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 14 10.5 7.94 0 33.79
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 12 4.83 5.63 0 47.42
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 11 13.27 4.94 0 67.91
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり - - 2.04 - -
耳鼻咽喉科で最も多い症例は、慢性副鼻腔炎です。鼻腔が狭く、鼻腔の通気性が失われることで、慢性副鼻腔炎を起こすような、鼻中隔弯曲症等の方に対して、内視鏡手術を行っております。また、扁桃、アデノイドの慢性疾患に対する手術や、入院加療が必要な炎症性疾患(扁桃炎・咽喉頭炎)の治療を多く行っています。また、睡眠時無呼吸症候群の検査入院、CPAP治療も行っております。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 37 18.3 15.64 51.35 73.38
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病1あり 発症前Rankin Scale 0、1又は2 18 27.61 17.35 44.44 79.17
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 17 21.65 18.86 76.47 67.53
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 12 19.25 12.04 8.33 81.92
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 11 7.64 7.48 18.18 58.82
脳神経外科で最も多い症例は脳梗塞です。入院後の治療としては、点滴治療を中心とした保存的治療と併せて、早期のリハビリテーションを行っています。次に多いのは非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)で、脳内出血を起こしてされた方が、入院して投薬による治療を行っています。退院後はリハビリが必要になることが多いため転院率が高くなっています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 51 3.33 3.39 1.96 71.16
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 35 33.06 20.51 34.29 87.86
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 34 31.53 18.61 17.65 74.18
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし A-DROP スコア1 23 18.22 13.93 4.35 84.22
0400801499x012 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病あり A-DROP スコア2 21 30 18.48 4.76 87.48
呼吸器内科では、一般感染症から肺腫瘍まで、幅広い分野に対応しています。最も多い症例は、肺がんが疑われる患者さんに対して、診断を確定するための気管支鏡検査を目的とした入院が多くなっています。また、肺がんの患者さんに対して行う化学療法の入院も多く行っています。次に多いのが肺炎の入院です。特に誤嚥性肺炎の入院も多く、平均年齢約88歳と、高齢化を反映した結果となっています。再燃や他疾患を併発していることが多く、治療期間は通常の肺炎よりも長くかかることが多いです。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 17 12.76 12.87 5.88 73.65
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし - - 7.71 - -
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 3.81 - -
03001xxx0110xx 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし - - 27.90 - -
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1なし - - 4.76 - -
皮膚科では、皮膚に生じた疾患全般に対応していますが、特に、手術を要する皮膚良性腫瘍・悪性腫瘍、帯状疱疹・蜂窩織炎などの急性感染症、乾癬などの難治性皮膚疾患、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性皮膚疾患の重症例などを中心として診療を行っています。
最も多い症例は膿皮症で、皮膚とその下にある皮下脂肪にかけて、細菌が入り込んで感染する蜂窩織炎が多くを占めています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 44 7.27 7.13 0 76.39
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 副傷病なし 28 8.5 5.67 0 72.18
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 22 2 2.54 0 72.59
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 11 16.73 13.00 0 69
110420xx02xx0x 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 副傷病なし - - 4.13 - -
泌尿器科で最も多い症例は、膀胱腫瘍に対する手術です。開腹せずに手術用内視鏡を用いる経尿道的膀胱腫瘍切除術を行っています。
次に上部尿路(=腎臓や尿管)結石に対する手術目的による入院が多くなっています。また、前立腺がんの診断に不可欠である前立腺生検を目的とした入院が次に多くなっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 226 3.19 2.76 0 75.97
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり 片眼 34 4.91 5.79 0 77.26
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし - - 6.49 - -
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり 片眼 - - 5.65 - -
020250xx97xxxx 結膜の障害 手術あり - - 3.22 - -
眼科で最も多い症例は、白内障手術です。白内障手術は、顕微鏡を使用した非常に繊細な手術となっています。その他に緑内障、網膜・硝子体疾患など、角膜移植以外のほぼすべての手術を入院管理のもと行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - - 8
大腸癌 - - 10 - - - - 8
乳癌 - - - - - - - 8
肺癌 - - 15 42 - 36 - 8
肝癌 - - - - - - - 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
定義
5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの人数を、初発のUICC病期分類別、および再発に分けて集計しています。UICC病期分類とは、国際対がん連合(UICC)によって定められた、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の 3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)の 4病期(ステージ)に分類するものです。

特徴
5大癌の中で当院で最も多い症例は、肺癌です。肺の高度進行癌には、主に化学療法を中心とした治療が行われており、複数回の入院のため多くなっています。また、肺癌の不明例は、診断確定のための検査(気管支鏡)入院症例であり、入院中には病期分類が判明しないため多くなっています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 12 10.25 60.75
中等症 84 25.46 81.27
重症 12 30.25 81.27
超重症 - - -
不明 - - -
定義
入院のきっかけとなった病名および最も医療資源を投入した傷病名が肺炎であって、市中肺炎(入院後発症の肺炎を除く)の患者さんが対象となります。市中肺炎とは普段の生活の中で罹患した肺炎をさし、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎などは集計対象外となっています。
肺炎重症度分類の定義(A-DROPスコア)に基づき、重症度別に4段階に分類されます。

1.男性70歳以上、女性75歳以上
2.BUN 21mg/dL以上または脱水あり 3.SpO2<=90%(PaO2 60Torr以下)
3.SpO2<=90%(PaO2 60Torr以下)
4.意識障害あり
5.血圧(収縮期) 90mmHg以下

軽症:上記5つのいずれも満たさない
中等症:上記1つまたは2つを有する
重症:上記3つを有する
超重症:上記4つまたは5つを有する、またはショック状態

特徴
患者数が最も多いのは中等症で、全体の73%を占めています。基本的には年齢が高いほど、重症度が高くなり、重症度が高いほど、平均在院日数は長くなります。
ガイドラインでは軽症は外来治療が推奨されていますが、軽症の患者さんであっても重症化を危惧され入院となるケースもあります。
脳梗塞の患者数等
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
- 114 78.10 26.57 49.12
脳梗塞入院は、発症して早期に入院される場合がほとんどで、発症3日以内の急性期脳梗塞が全体の90%以上となっております。平均年齢は78歳と高く、平均して27日間程度の入院期間で治療とリハビリを行い、約5割の患者さんが継続リハビリのために後方支援病院に転院されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
心臓・血管内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 44 5.11 5.61 4.55 72.34
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 26 0.19 14.12 3.85 72.62
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの 20 4.35 5.25 0 71.40
K597-2 ペースメーカー交換術 15 2.47 12.93 6.67 80.20
K596 体外ペースメーキング術 14 1.86 29.07 35.71 82.57
心臓・血管内科では、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)に対する、心臓カテーテル治療の経皮的冠動脈ステント留置術が多くなっています。カテーテル治療は、足の付け根、手首、ひじなどにある動脈から、直径2mm程度の細い管(カテーテル)を心臓の近くまで挿入し、病変を治療する方法です。
また、徐脈性不整脈の患者さんに対してのペースメーカー移植術も行っています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K513-4 胸腔鏡下肺縫縮術 24 2.75 5.54 4.17 41.83
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 15 0.93 4.8 0 32.2
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 13 0.69 9.77 23.08 70.46
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 10 2.3 9.7 0 56.20
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの - - - - -
最も多い手術症例の胸腔鏡下肺縫縮術は、全身麻酔で胸腔鏡下に肺を縫い縮める手技で肺を切除しない方法で気胸に対して行われます。次に腹腔鏡下虫垂切除術が多くなっています。
開腹によるもの以外に、適正な適応の元に鏡視下手術を積極的に行い、体への負担をできるだけ小さくするように努めています。いつ発生するかわからない緊急手術に備えて外科スタッフはオンコール体制を整えています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 24 4.38 27.17 70.83 84.58
K0811 人工骨頭挿入術(股) 11 5.45 37.55 54.55 78.27
K0821 人工関節置換術(膝) - - - - -
K0463 骨折観血的手術(足) - - - - -
K0462 骨折観血的手術(前腕) - - - - -
整形外科では、大腿骨の骨折観血的手術が最も多くなっています。骨折観血的手術は、ギプス固定では治癒が難しい複雑な骨折や重度の骨折、関節周辺を骨折した場合に施す外科手術です。次に人工骨頭挿入術を多く行っています。人工骨頭挿入術の患者さんの平均年齢は70歳代後半と高齢であるため、骨接合術で整復・固定が困難な場合があります。そのため、大腿骨の骨頭を取り出し、人工骨頭という人工物(金属性)に入れ替える手術です。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 21 1.14 10.95 0 49.24
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 20 1.40 4.55 0 45.70
K861 子宮内膜掻爬術 - - - - -
K867 子宮頸部(腟部)切除術 - - - - -
K8654 子宮脱手術 腟壁形成手術及び子宮全摘術(腟式、腹式) - - - - -
産婦人科では、子宮全摘手術が最も多くなっています。子宮全摘手術は、開腹手術による件数が多いですが、腹腔鏡下や膣式による手術も行っています。
次いで多いのが腹腔鏡下での卵巣摘出術です。術後の疼痛が少なく、美容面でも優れており開腹手術と比較すると早期に日常生活に戻ることができます。
このような腹腔鏡手術に代表される低侵襲手術に力をいれており、患者さんの負担軽減に努めています。
また、月経過多の治療として子宮内膜アブレーション(MEA)も行っており、おなかを切らない治療として、注目されています。約30分の手術で、1泊2日入院となります。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 19 2.42 5.11 0 47.47
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 16 1.75 7.38 0 30.00
K6261 リンパ節摘出術 長径3センチメートル未満 - - - - -
K287 先天性耳瘻管摘出術 - - - - -
K339 粘膜下下鼻甲介骨切除術 - - - - -
耳鼻咽喉科では、慢性副鼻腔炎や鼻中隔弯曲症に対して行う内視鏡下副鼻腔手術が最も多くなっています。
次いで扁桃腺肥大や慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃手術が最も多くなっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 13 0.92 21.23 7.69 82.77
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 12 6.42 50.25 33.33 76.75
K142-4 経皮的椎体形成術 - - - - -
K1761 脳動脈瘤流入血管クリッピング(開頭)(1箇所) - - - - -
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) - - - - -
脳神経外科で最も多い手術は、慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術です。慢性硬膜下血腫は、軽微な頭部外傷を負って1~2ヶ月ほど経過したのち、頭痛や歩行障害、認知症等の症状が起こる病気で、比較的緊急手術となる場合が多くなります。局所麻酔下で、小さな穿頭で硬膜下に溜まった血腫を吸引し、洗浄除去します。
次いで多いのは脊柱管狭窄症、頸椎症などに対する脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術です。これらは、狭くなった脊柱管を広げることで神経への圧迫を取り除き疼痛を改善する手術です。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 10 0.60 11.20 0 81.50
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2センチメートル未満 - - - - -
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3センチメートル未満 - - - - -
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径6センチメートル以上12センチメートル未満 - - - - -
K0041 皮膚、皮下、粘膜下血管腫摘出術(露出部以外) 長径3センチメートル未満 - - - - -
皮膚科では、皮膚悪性腫瘍切除術が最も多く、次いで皮下腫瘍摘出術が多くなっています。このような皮膚腫瘍については、日帰りもしくは入院で手術を行っています。代表的な症例として、有棘細胞癌や基底細胞癌、ボーエン病などがあります。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 50 4.50 8.38 0 77.0
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 27 2.37 4.44 0 72.22
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 25 7.00 12.48 16 72.60
K800-2 経尿道的電気凝固術 - - - - -
K797 膀胱内凝血除去術 - - - - -
泌尿器科で最も多い症例は、膀胱がんに対する手術である膀胱悪性腫瘍手術が多くなっています。開腹によるものではなく、尿道から手術用内視鏡を挿入し、病巣部を電気メスで切除するため、体への負担が小さい手術です。
次に多い症例は、腎結石・尿管結石に対してレーザーを照射して結石を破砕する経尿道的尿路結石除去術となっています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 217 0.99 1.00 0 75.88
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 25 3.68 9.40 0 69.84
K2682 緑内障手術 流出路再建術 18 1.00 4.06 0 77.39
K2686 緑内障手術 水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術 12 1.00 1.17 0 75.58
K224 翼状片手術(弁の移植を要するもの) 10 1.00 1.00 0 74.90
眼科では、白内障に対する手術である水晶体再建術が最も多くなっています。白く濁った水晶体を超音波などで細かくして吸引した後に眼内レンズを挿入する手術になります。次に硝子体茎顕微鏡下離断術は、網膜剥離や糖尿病・高血圧などによる硝子体出血、黄斑部の病気に対する手術です。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 100 0.74 6.26 11 71.96
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 35 7.11 22.51 14.29 70.91
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3月以内に実施) 28 6.21 6.57 25 72.86
K6147 血管移植術、バイパス移植術 その他の動脈 - - - - -
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -
腎臓内科では、経皮的シャント拡張術・血栓除去術が最も多くなっています。この手術は、シャント血管にできた狭窄部位をバルーンで拡張したり、血管につまった血栓を取り除く手術です。
次に多い、内シャント造設術は、腎臓の機能が低下して、血液透析が必要となった際に行なう手術であり、前腕部の動脈と静脈を吻合することで強い流れである動脈の血液を静脈に流し、透析に必要な血液を静脈から取り出せるようにします。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 14 0.41
180010 敗血症 同一 - -
異なる 14 0.41
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 153 4.5
異なる - -
この4つのDPCコードは、不適切なコーディングとみなされる確率が高いものです。しかし、播種性血管内凝固症候群(DIC)や敗血症は、基礎となる疾患がある方が、その基礎疾患が重症化した状態で緊急入院がされることがほとんどです。つまり、入院中に基礎となる疾患が改善せず、肝臓や胆道の感染症からDICや敗血症に移行したものが多く含まれています。
当院では、手術や処置などを行う際には合併症を起こさないように細心の注意を払い施行しています。起こり得る合併症については、事前に患者さんに説明した上で、手術や処置の施行に同意をいただくよう努めています。
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