電子カルテ

本院は6ヶ月の導入準備期間を経て2003年12月に電子カルテを導入しました。当初は多少の混乱を生じましたが、大きなトラブルもなく今日に至ることができました。
現在では電子カルテは空気のような存在となり、みんながこのシステムをいかに利用してより良い医療に近づくか模索しています。

看護師による電子カルテへの入力

電子カルテサーバ室

これまで看護師や薬剤師は、医師の手書きの指示や処方をメモに書き写したりしていました。読み解くのが大変な場合もあり、医療事故の温床になっていました。電子カルテ導入後は、医師が入力した投薬や検査などの指示を端末で碓認し、日常の業務を進めることができます。特に患者さんへの注射・点滴は3点チェックで管理され、薬剤の間違いなどを未然に防ぐことができるようになるなど、医療安全上も大きな効果がありました。

外来診察風景

PDA端末による患者さん、注射薬などのチェック

このように、電子カルテの最大のメリットは医療チームの情報共有にあります。看護師が受け持ち患者さんの診療情報を熟知し、患者さんに自信を持って接することができるようになります。すなわち、業務の効率化が図れるとともに、医療ミスの減少につながるということです。

しかしながら、診療上の問題点も多く指摘されています。患者さんときちんと向き合って診察することは診療上忘れてはならないことですが、どうしてもパソコンの画面に顔が向いてしまいがちになります。しかし、画像を見ながらのカルテ記載や、患者さんに画像や検査結果を見ていただきながら説明ができるという大きなメリットがあります。

電子カルテは国が推進している一大プロジェクトであり、その目的は医療の透明化、地域連携医療などで、より良い医療をめざすものです。福岡市医師会や宮崎県医師会では、病院や診療所などの間で、患者の検査情報などを書き込んだ電子カルテをインターネットでやりとりする、そんな地域医療ネットワークづくりへの取り組みがすでに始まっています。

むろん良い面だけではではありませんが、紙カルテと比べると診療面や医事面に於いてはるかに有効有益であることは確かです。

電子カルテは単なる電子ツールで、その目的はより良い医療であり、いかに使いこなすかを考えていきましょう。