Clinical laboratory department臨床検査科

生理検査

(1)心電図

心臓の働きは全身に血液を送るポンプ機能です。この機能は心臓の筋肉が伸びたり縮んだりする収縮と拡張の作用により保たれています。同じ動作を1日に約11万回も繰り 返しています。心臓の筋肉が一定のリズムで収縮、拡張を繰り返すためには、指令を発生する部位と伝わる経路が必要となります。それは心臓の中にあり、弱い電気的信号に よって伝わって行きます。

この弱い信号の伝わり方を、体の表面から波形として記録したのが心電図です。心電図は、心臓の病気(不整脈の判定、狭心症や心筋梗塞)の診断に利用されます。

  • 脈がみだれる、胸が痛い、動悸がする場合に、心臓の病的症状の鑑別に行います。
  • 両手足と胸に電極をつけて、心臓からの電磁を記録します。
  • 階段の昇降、歩行負荷などをし、運動中や運動直後の心臓の動きを見る検査があります。
    ⇒ マスター負荷心電図、多段階運動負荷テスト
  • 心電図を24時間記録するホルター心電図

(2)呼吸機能検査

  • 肺の容量や肺の働きを調べる検査です。
  • 鼻をつまみ、口だけで呼吸します。
  • 手術前検査の1つです。
  • 正確なデータを得るには患者さんの協力が不可欠な検査です。

(3)脳波検査

脳波検査は、脳に影響する可能性のあるけいれん性障害、錯乱、頭部外傷、脳腫瘍、感染症、消耗性疾患、代謝障害の有無または種類を診断する上で役立ちます。また、意識消失の期間または睡眠障害を調べる場合にも役立ちます。脳波検査は、昏睡状態の患者の脳死を確定する場合にも行われます。脳波検査を行っても、精神病を診断することはできません。

  • 大脳の活動状態を頭皮に電極をつけ、ベッドに休んで記録します。
  • たくさんの電極を付け、準備をあわせて約1時間程度の検査です。
  • 痛みなどの心配はいりません。

(4)超音波検査

  • 超音波は物にぶつかると反射する性質をもっています。
  • 反射の程度は骨、筋肉、血液、尿などにより異なります。
  • 超音波検査はこの性質を利用して、体内の組織を画像化し観察することが可能となります。
  • 各臓器の腫瘍、腫瘤性病変、炎症性病変、隆起性病変、結石などの有無を検査します。

腹部エコー検査

肝臓、胆嚢(胆道系)、膵臓、腎臓、脾臓、前立腺、子宮、腹部大動脈消化管などの臓器を検査します。

心臓エコー検査

心臓壁の厚さ、動きなどの評価、弁の形状、可動性などを調べます。心不全、狭心症、弁膜症などの疾患を発見できます。

血管エコー検査

血管の太さ、血栓の有無、動脈硬化の程度、血液の流れを知るために行う検査です。観察する血管は、腹部大動脈とその枝、頸動脈、上肢や下肢の動静脈です。

頚部・体表エコー検査

乳腺、甲状腺、顎下腺、耳下腺、頚部リンパ節等を検査します。

(5)血圧脈波検査

四肢の血圧測定からABI(足関節/上腕血圧比)やCAVI(心臓足首血管指数)を算出して、動脈血管の狭窄・閉塞状態や硬さを評価し動脈硬化症の早期発見診断として検査します 。

  • 実際の検査時間は2分、全体で5~10程度で検査終了します。
  • 痛みを伴わない検査です。

(6)睡眠ポリグラフ検査

睡眠中に10秒以上の呼吸停止が一晩に30回以上、睡眠中に呼吸停止が一時間に5回以上、無呼吸・低呼吸指数AHIで5以上は睡眠時無呼吸症候群とされます。

  • 一泊の検査です。
  • 午後から入院し、午後4時30分頃検査機器の装着を検査技師が行います。
  • 装着したまま眠っていただき、その間記録します。
  • 翌朝8:30に検査技師が取り外します。
  • 外来診察後、帰宅。

(7)眼底検査

眼底の血管は外から直接見る事のできる唯一の血管です。眼底検査では眼球の奥の、網膜や脈絡膜、血管・視神経の出入り口を観察・撮影します。そこに現われる症状から 網膜剥離、視神経疾患、糖尿病性網膜症、くも膜下出血、硬膜下出血はもちろん、脳腫瘍、動脈硬化、高血圧症なども発見できます。

(8)聴力検査室

耳の聞こえを調べる検査です。通常の聴力検査は、どのくらい小さい音まで聞き取ることができるかを調べます。

  • ヘッドホンをしてからスイッチを持ってもらい、プップップッあるいはピッピッピッという音が聞こえたらスイッチを押していただきます。
  • 聞こえている間は押して、聞こえなくなったらスイッチを離してください。