Department of radiology診療放射線科

RI検査

核医学(RI)InVivo検査は、検査に応じた放射性医薬品と検査に最適なSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置を使用し検査を実施します。
検査に使用する放射性医薬品は、検査毎により使用する放射性医薬品が異なります。

当院では現在、ポジトロンCT組合せ型SPECT装置(Infinia Hawkeye4)と心臓専用SPECT装置(VENTRI)の2機種のシンチカメラを所有し、核医学データ処理装置としてXelerisを導入し、種々の検査が実施可能となっています。

2009年に導入されたInfinia Hawkeye4により、PET検査を実施する事が可能となりました。薬が集まる様子を撮影するRI、PET画像と、臓器の形状を撮影するCT画像を組み合わせ、一度の検査で両方の画像を重ねて表示することができるようになり、診断精度の向上をはかることができるようになりました。

核医学検査は、患者さんの苦痛が少ない検査として世界的に普及してきました。
画像診断の方法には、X線検査、CT検査やMR検査等がありますが、核医学検査もその特徴を生かして、心臓や脳、腫瘍や甲状腺その他の病気の診断に欠かせない検査法として医療に役立っています。

(1)核医学検査とは

ガンマ線という放射線を放出する少量の薬(これを「放射性医薬品」といいます)を静脈から注射し、検査用のベッドの上で静かに横になっている間に、シンチカメラで体の中の様子を画像にする検査です。
静脈から注射する方法の他に、カプセルを飲んでいただく検査や、呼吸によって吸入していただく検査などもあります。

多くの場合30分から1時間程度ベッドの上で横になっている間に検査は終了し、患者さんにとって大変苦痛の少ない検査です。

(2)核医学検査の流れ

基本的には、

  • 検査の予約
  • 検査に必要な準備、前処置
  • 検査の実施
  • 検査結果のお知らせ
の順番で行われます。
検査に使用する放射性医薬品の有効期限は非常に短いため、検査予定日の朝に薬が届きます。
そして、その日のうちに使用しなければなりません。
患者さんの検査に合わせた放射性薬品が当日届けられますので、急用等で検査予約日に来院できないような場合は、予約日の前々日の14:00までにご連絡ください。

核医学検査の性質上、目的の臓器に薬が集まり検査を開始できるまで、2~4時間の待ち時間があったり、2~3日後に検査を実施することもあります(検査によって時間は異なります)。
また、朝からの絶食や、下剤等を飲んでいただき排便を促し、腸内をキレイにしていただくこともあります。

検査は、専用ベッドに静かに横になっている間に行われるのが一般的です。
検査結果は放射線科医が読影し、検査実施日にお知らせするようにしています。

(3)画像診断の役割について

体の具合の悪い部分を治療するためには、疾患部の機能やその形、大きさを知ることが大切です。
それらを把握することによって適切な治療方法を決めることができます。
また、治療を行っている間に、治療効果を確かめることも大切です。

各種の検査は、治療の方法や治療効果を確かめる目的で実施されます。
画像診断検査の中で核医学検査は主に臓器の動き具合(機能検査)を調べるために行われます。
CTやMR等の検査は、主に形や大きさを調べます(注:CTやMR等で機能を調べる検査を行うこともあります)。
他の画像診断に無い核医学検査の特徴は、放射性医薬品がどのような速さで、どこにどれだけ集まるのかを調べることにより、形の異常が現れる前に病気の状態診断することが可能なことです。

これらの検査を組み合わせることにより、効果的な治療方法が決まり治療が行われ、治療効果も判断することができます。

(4)主な核医学検査について

■ 脳

CTやMR検査の場合、脳内の形の変化を見て病気の有無を判断します。
核医学検査の場合は、形の異常ではなく、機能の異常を検査します。
病気の早期には形の変化はまだ現れませんが、核医学検査の場合には、このような病気の早期の診断や回復の可能性がある軽い傷害などを見つけることができます。

脳の核医学検査は、脳血流SPECTといわれる脳の血流を調べる検査が多く行われています。
この検査を行うことにより、脳梗塞、痴呆、てんかん、脳腫瘍、外傷など様々な病気により引き起こされる脳内血流の異常を把握することができます。

脳血流シンチ

■ 心臓

心臓は体全体に血液を送り出すため、たくさんの栄養や酸素が必要で、冠動脈によりこれらを血液と共に運んでいます。
狭心症や心筋梗塞は、この冠動脈が動脈硬化などで狭くなったり、血液が流れにくくなって起こります。
治療は、心臓カテーテルで血管の狭くなっているところを拡げたり、別の血管をつなぐバイパス手術を行うなどして、心筋細胞に血液を十分に運ばれるようにします。

この治療の前に、血液の流れが足りない心筋の場所はどこであるか、そこの心筋は生きていて、治療で治る見込みがあるのかを見極めるのに核医学検査の心筋シンチは大変役に立ちます。
また、血管造影検査と比較して患者さんの身体的負担等も少なく治療後の経過観察を行うのにも利用されます。

■ 骨シンチ

この検査に使用される薬は、骨の代謝や反応が盛んな部位に集まる性質があります。
このことを利用して、骨腫瘍や骨の炎症、骨折の診断等を行うことができます。

骨シンチは、乳ガン、肺ガン、前立腺ガンなど各種のガンの治療前後での経過を見る上で欠かすことができない検査です。
また、患者さんの苦痛も少なくエックス線検査よりも早期に、また、診断が困難な疲労骨折や骨粗鬆症に伴う骨折なども見つけることが可能です。

骨シンチ画像

■ ガリウムシンチ

この検査に用いる67-クエン酸ガリウムは腫瘍や炎症に集まる性質があります。
このことを利用して、腫瘍や炎症がどの部位にあり、どの程度進行しているかを把握することができます。

この検査と他の検査の結果から総合的に判断して治療法が選択されます。
また、治療効果の判定や再発などの確認の目的でも実施されます。
そして、原因が分からず高熱が続く不明熱などで異常部位が無いかの確認のために行われることもあります。

■ 腎臓

腎臓の機能として、不要な成分をろ過する機能があります。
この機能が正常に働き、その速度はどの程度かを把握するのに核医学検査が用いられます。
また、左右の腎臓を比較する際にも核医学検査は重要な役割を持っています。
腎臓移植後に移植された腎臓が正常に機能しているかを知るのにも用いられます。

■ PET

PETとは、Positron Emission Tomography (陽電子放射断層撮影) の略で、核医学検査の一種です。

CTなどの画像検査では通常、頭部、胸部、腹部などと部位を絞って検査を行いますが、PET検査では、体幹部を一度に調べることができます。
現在PET検査で使用されている放射性医薬品は、ブドウ糖代謝の指標となる18F-FDGを用いたFDG-PET検査です。
PET検査はがんや炎症の病巣を調べたり、腫瘍の大きさや場所の特定、良性・悪性の区別、転移状況や治療効果の判定、再発の診断などに利用されています。
CT検査などでは臓器の形態により診断を行うのに対し、PET検査では、ブドウ糖代謝などの機能から診断を行います。
臓器の形態だけで判断がつかないときに、働きをみることで診断の精度を上げることができます。

喘息や腎臓病があると、CT検査などで造影剤検査が受けられないことがありますが、PET検査では問題はなく、安全に検査を受けられます。
血糖値が高いと検査の精度が落ちる可能性があるので、糖尿病のある人は、あらかじめ相談してください。
また、医薬品投与から検査開始までの待ち時間等があり、入室し検査開始から終了、退室可能となるまで3時間ほどかかります。

(5)放射性医薬品を用いた治療
(骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がんに対するゾーフィゴ®静注による治療)

【去勢抵抗性前立腺がんとは】
去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)はホルモン療法や手術などの男性ホルモンの分泌を抑えている治療を実施しても症状が悪化する前立腺がんのことです。

【ゾーフィゴ®静注による治療とは】
ゾーフィゴ®静注はアルファ線とよばれる放射線を出す放射性物質「ラジウム-223」が含まれている放射性医薬品です。
ラジウム-223は骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすい性質があるため、体内に注射されると代謝が活発になっているがんの骨転移巣に集まります。
ラジウム-223から放出されるアルファ線が骨転移のがん細胞の増殖を抑えることで生存期間の延長、骨転移の症状が発現するまでの期間の延長、疼痛の緩和、骨折の予防などの治療効果が期待できます。
また、アルファ線はエネルギーが高く、細胞を破壊する力が強いという特徴がありありますがエネルギーが届く距離は0.1㎜未満と短いことから、正常細胞に影響を及ぼすことは比較的少ないとされています。
4週間ごとに1回、最大6回注射します。入院の必要はなく、外来(日帰り)で治療可能です。
去勢抵抗性前立腺がんで骨転移があり、内臓転移がない方に治療の適応があります。
その他に採血検査の検査値に適応基準がありますので治療の詳細については泌尿器科医師又は放射線治療科医師にご相談ください。

(6)副作用について

放射性医薬品による副作用はごくまれで最近の5年間の調査では10万人あたりに約2.1~2.5名と非常に少ない報告しかありません。
1999年の副作用調査によりますと放射性医薬品の投与件数137万件に対して、29件の報告がありました。
副作用の程度は、軽微のものが19件、中等度が10件となっており重篤な副作用はありませんでした。
症状としては、顔面紅潮、悪心、吐き気、めまい、気分不良、皮膚発赤、発疹、脱力感、動機、発汗でした。

また、検査用の放射性医薬品に含まれるアイソトープの量はわずかで放射線影響の点から見ても心配はありません。
投与されるアイソトープの種類や量は、国際放射線防護委員会の詳細な検討に基づいて、できる限り患者さんの利益が大きくなるように決められています。