Department of radiology診療放射線科

その他

放射線測定機器類

技術部診療放射線では、主要な取り組みの一つとして、放射線被ばくの低減に努めています。
そのため、血管造影装置や透視装置に取り付けている透過型線量計の他に、多くの放射線測定機器等を備えています。
以下にその一部をご紹介します。

■ 蛍光ガラス線量計

Radio Photo Luminescenceという現象を応用した線量計で、個人被ばく管理に使用されているガラスバッジにも利用されています。
使用するガラス素子は、長さが9.5mmのものと12mmのものがあり、専用のケースに入れて使用します。
また、このケースには、高エネルギー(放射線治療用)用と診断X線用の2種類があります。
この素子と、人体ファントム(RANDファントム)を使って、皮膚線量や体内の線量分布などを測定しています。

読取装置

コントローラ

ガラス素子
(左:放射線治療用,中央:X線用)

■ 蛍光ガラス線量計

Radio Photo Luminescenceという現象を応用した線量計で、個人被ばく管理に使用されているガラスバッジにも利用されています。
使用するガラス素子は、長さが9.5mmのものと12mmのものがあり、専用のケースに入れて使用します。
また、このケースには、高エネルギー(放射線治療用)用と診断X線用の2種類があります。
この素子と、人体ファントム(RANDファントム)を使って、皮膚線量や体内の線量分布などを測定しています。

線量計(RAMTEC1000 Plus)

X線用イオンチェンバー

X線用シャローチェンバー

■ サーベイメータ

放射線を使用する場所の環境測定に使用する線量計です。
電離箱サーベイメータは、X線撮影室内の線量分布測定およびX線撮影室や放射線治療室外部の漏洩線量測定に、シンチレーションサーベイメータは核医学施設内の環境測定に、GMサーベイメータは放射性同位元素による汚染測定に使用しています。

電離箱サーベイメータ

シンチレーションサーベイメータ

GMサーベイメータ
(左:放射線治療用,中央:X線用)

■ 放射線部門システム

平成15年12月の電子カルテ稼働に伴い、放射線情報システム(RIS:Radiology Information System)と読影管理システム(RMS:Report Management System)の導入および画像情報管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)の更新を行いました。
これらのシステムは、電子カルテシステムと密接に連携し、効率的でより安全な診療業務の遂行に役立っています。
それでは、一般撮影系を例に、この放射線部門システムの概略をご紹介します。

先ず、電子カルテのオーダリングシステムで発生した放射線検査の情報がRISに送られ、受け取った情報を検査指定日・検査種別毎に管理し、いつでも内容が確認できるようになります。

検査予定日に、放射線検査受付に患者案内票を提示していただくと、患者案内票に印刷されている患者IDバーコードを読み取り、検査内容と検査室を確認し、検査室に案内します。
受付終了時、各検査室に設置のプリンタで検査受付票が印刷されると同時に、フィルム袋貼付用のラベルが仕上げ室に出力されます。

各撮影室では、RIS端末で検査受付票のオーダ番号を読み取るか、受付順に表示されている検査オーダの該当オーダをクリックすると、検査内容が展開されます。
次に、患者案内票の患者IDを読み取り、照合を行います。

間違いなければ、RIS端末から撮影装置に情報を送信し、撮影を行います。
撮影終了後、画像に問題なければ、フィルムへの出力とPACSヘの転送が行われます。
PACSへ画像が送られると、直ちに電子カルテから画像を観察することができるようになります。

フィルム出力・画像転送後、RIS端末で内容の確認を行い、終了処理(実施入力)を行うと、撮影情報が電子カルテに送られ、同時に医事システムおよびRMSへも情報が送信されます。
放射線科の読影が必要な場合は、RMS上で未読影の該当データを選択し、PACSの画像を参照しながら読影報告書を作成します。
読影報告書作成終了後は、電子カルテから読影報告書を参照できるようになります。

放射線情報管理システム(RIS:Radiology Information System)

放射線情報管理システムには、コダック製:Kodak RIS-Jを導入しました。
ただし、このシステムには、コダックと共同で開発した多くの機能が盛り込まれています。
その一部をご紹介します。

(1)RIS中心のシステム

CR撮影を行う場合、患者属性(ID、名前、生年月日、所属等)を入力することが必須であるため、CRシステムにはこれらの情報をデータベースとして持つことが不可欠でした。
したがって、CRシステムにRISの機能の一部を持たせて発達してきました。
その後RISが普及してきていますが、従来のRISではCRシステムに付随するこのRIS機能を利用するという前提で作られています。

しかし、RISがあるという前提で考えると、CRの持つRIS機能を利用することは、RISの操作をしてさらにCR端末の操作をしなければならないなど、業務量の増大を招きます。また、FPDを中心に使用し、CRも併用する撮影室の場合、常にCR端末からFPDをコントロールすることは、プロセスが複雑になり、間違いを起す基となります。
このような観点から、CR端末を介在させず、直接RIS端末で業務を遂行できるシステムを作りました。

このシステムでは、RIS端末にCR端末の機能も持たせています。
すなわち、RIS端末に、CRカセッテのIDコードを読み取ったり、撮影情報をCR読み取り装置に送信する機能を付加しました。
このことにより、RIS端末の操作だけで撮影が可能となり、ワークフローを簡略化することができました。
例えば、撮影室1(下左の写真)はFPDを主に使用する撮影室で、ベッドでの撮影時等ではCRも使用します。
操作室に設置されているのは、RIS端末とFPDのコントローラで、CR端末は設置されていません。
撮影室2(下右の写真)にはRIS端末しか設置されていません。
また、設置されている無線バーコードリーダで、患者認証からCRカセッテのID読み取りまでを行います。
なお、RISモニタはタッチパネル方式で、操作の省力化が図られています。

撮影室1操作室:FPDとCRを併用

撮影室2操作室:CRのみを使用

(2)誤認防止システム

RIS開発にあたり、今まで少なからず発生していた誤認撮影を物理的に防止する手段が必須と考え、誤認防止システムを通常撮影用とポータブル撮影用について新規開発しました。
それぞれについて、簡単に説明します。

通常撮影用の誤認防止システムは、患者IDとオーダコードの照合機能および撮影件数の多い撮影室での撮影順番表示機能から構成されています。
先ず、放射線検査受付での受付終了と同時に、受付前の案内モニタに撮影待ち人数が、撮影件数の多い1、2・3撮影室前の案内モニタには撮影順を示す受付番号が表示されます。
この受付番号は、外来では受診手続時に発行される当日だけのユニークな番号で、患者案内票に印刷されているものです。
入院はRIS内部発行データで、頭に"N"の文字を付けた当日だけのシリアル番号です。
各撮影室のRIS端末で検査オーダを展開すると、この番号にオレンジの枠が表示されます。

撮影室で、外来では患者案内票の患者ID(バーコード)を、入院ではリストバンドの患者ID(バーコード)を読み取ると、この患者IDとオーダ番号で展開された内容から判別される患者IDとが一致するかどうかの検証が行われ、一致しない場合は警告が表示され撮影に進めなくなっています。

画像情報管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication Systems)

電子カルテ稼働に伴い、PACSの機能強化を図り、既設のRadStoreに追加してCentricityを導入しました。
Centricityには4T バイトのRAID(RAID5)を搭載し、1/3の可逆圧縮で画像保存を行っています。
現在は、長期保存用機器を装備していませんが、近い将来、長期保存用としてCAS(Content Addressed Storage)を導入する予定です。

電子カルテへの画像配信はWeb機能を利用して行われます。
電子カルテで画像表示ボタンを押すと、URL連携で該当患者さんの画像データの一覧表がサムネールで表示され、目的のサムネールをクリックすると画像が展開されます。
この際、画像データは、電子カルテ端末モニタの解像度に合わせて、最小限のデータが送信されてきます。
また、拡大表示等をする場合は、必要な差分データだけが送信されます。
したがって、ネットワークに負荷がかかり難く、観察用モニタが高精細であれば、オリジナル解像度での観察も可能となります。

読影報告書管理システム(RMS:Report Management System)

電子カルテに伴う機能強化の一環として、RMSを導入しました。
システムはトライフォー製 ProRad RS です。設置場所は、放射線科・透視室・血管造影室です。
レポート端末のモニタは、レポート用 SXGA モニタ1台と 2M モノクロモニタ2台の3面構成です。
このシステムは、基本的にはデータベースソフト:FileMaker Pro を利用して作られており、ユーザ側である程度カスタマイズすることも可能です。

このシステムは、RIS、PACSおよび電子カルテと連携しており、確定処理後の読影報告書は、電子カルテから URL 連携で見ることができるようになります。

放射線科読影室

透視読影室